ようやく本年13冊目を読了。  沈みゆく大国アメリカ <逃げ切れ!日本の医療> 堤 未果  集英社新書  740円 ひと言でいえば、医療も金次第であったが、鳴り物入りの「オバマケア」という似非国民皆保険制度により、さらに保険料が上昇し、しかも受けれる医療がさらに制限され、医療費未払いによる自己破産が急増しているという話。それが最近全国のあちこちで推進されようとしている医療特区、さらにはTPPによって日本もそうなろうとしているのですよという警告の書です。アメリカはすべて「金で動く国」です。隣のおかしな国々のロビー活動で、ハーバード大学がおかしな講座を開設したり、日本マスコミがあがめるように報道するニューヨークタイムズ紙が中国資本の影響を受けていることはご存知でしょうか。医療もそう。オバマケアでも薬価は国が決められません。企業の言い値です。TPPが導入されればどうでしょう。日本での薬剤費は1兆円ですからこれが米国並みになれば50%増しです。医療機械も米国製が優先的に使用されるように決められています。健康保険の有効範囲が狭められ、あとは任意の民間保険で賄うという制度になるでしょう。これを虎視眈々と外資の保険会社は狙っています。資金力が桁違いです。しかし、日本人は実は医療費は非常に安い価格だけれど、非常に高い自己負担率で、その不満を医師に向けつつ、のほほんとしている。これが風前の灯と知ってください。私の立場を言いますと、TPPが導入されれば、来院患者さんは減るでしょうけど、売り上げは上がると考えます。単純な話です。20万円で100人盲腸の手術するのと、200万円で10人の手術するのとどっちが楽ですか?こんな簡単なことも、たぶん考えたこともないのでしょう。「今、そこにある危機」なんです。でも安心してください。TPP導入を願う医師は少数派だと思います。医師は愚かにも!身を粉にしてでも患者さんを救いたいと考えるものなんです。でもね、国民が馬鹿だとアメリカや日本にもいる金の亡者にいいようされますよ。誰が自分の命を守っているのか、静かに考えてください。ぜひご一読ください。診療所の待合室にも置いておきます