昨日は、暑気払いを兼ねた当院の送別会でした。診療所を経営していて、職員が退職するときほど悲しく淋しいことはありません。彼女(彼)たちは、私にとって使用人ではなく、仲間であり戦友なんです。喜びと苦しみをともに分かち合っていく同志。寿退社だととても喜ばしく嬉しいのですが、それでもね。いろいろな事情があるのでしょうが、もちろん本音を聞けるわけもなく、「人間関係に問題はなかったか」「苦しくなるような状況に置かれなかったか」「そういう俺はどうやねん」と思い悩むことになります。もちろん退職に伴う、新職員の採用も大変です。昨今の人手不足はもろに影響します。医療費は勝手に値上げできませんから、人件費の上昇を吸収するのが困難です。仲間内で集まれば、どうやっていい人材の確保をしているかと必ず話題になります。物を売っておしまいというのではないので、その人の持つ才能を勘案して、花開かせてもらう必要があります。当院ではあせらず、1か月以上かけてなじんでもらいます。昨年から、土日休診にしたのも人材確保のためです。今の日本で、毎日夜8時まで仕事で、しかも土曜日出勤の職場に人は集まりません。さらに来年からは働き方改革が本格始動します。「もっと休もう」という改革です。医療従事者の善意も限度があります。夜診のあるのは、京阪神と東海地方だけです。たぶん大阪も夜診はなくなる方向に進むでしょう。