ラグビーワールドカップで日本がアイルランドに快勝し、世界が驚いているようである。また日本のマスコミでも「奇跡」だとか「大金星」の文字が躍っている。私も正直驚いている。いくら努力しようとも体格差を埋めることは困難と考えていたから。直前の雑誌では、選手たちが口々に「アイルランドに勝つ」と述べている。裏付けのある発言だったのだなと今は思う。おそらく常人では想像しえない努力と練習を積んだのだろう。目標を決めると、個を殺し一心不乱に突き進む日本ならではと感じた。他の国なら個々不満を述べてまとまらないところではないか。個人主義者の外国出身者を「ワンチーム」としてまとめ上げた、リーチマイケル主将の手腕に敬服する。またひたすら勝利に向かって3年間努力し続けたすべての選手に心から敬意を表する。ただニュージーランドはアイルランドのようにはいかない。物心ついた時からラグビーになじんでいる彼らの血と智は、論理を超越する想像力を産み出す。まずは今まで通り、綿密な作戦戦術を遂行し、予選リーグを突破して欲しい。そして決勝トーナメントでは、解き放たれた自由な精神で日本のラグビーを世界に魅せて欲しい。
2019-10-01