昨年の本屋大賞に輝いた「成瀬は天下を取りにいく」は青春物の金字塔と思いました。
読後感とてもよく、主人公が今自分の隣にいそうな感じ。スーパー高校生なんだけど、自分も彼女を見習って全力で前向きに生きようと思わせる作品でした。
一気に読んで、続編の「成瀬は信じた道をいく」も続けて読みました。
興味を持った何事にも一生懸命で全力を尽くす。まっすぐで本人は周りと違っていることの自覚はあるけれどそれを受け入れる両親のもと、飄々としているところが面白い。
滋賀県の大津という絶妙の地方都市を舞台に、スーパー高校生が活躍する話です。
「信じた道をいく」では成瀬が高校(おそらく膳所高校がモデル)から京大理学部合格するまでを描いています。
そして今月そのまた続編「成瀬は都を駆け抜ける」が出版されました。待ってましたと膝を打ちました。即購入。今回もワクワクしながら成瀬ワールドを堪能しました。
京都大学での成瀬をとりまく日常が鮮やかに描かれています。
「こんな奴おらんやろ」と思われがちなんですが、実は息子の高校の同級生に、私が密かに「成瀬やん」と感じる女子がいるのです。
息子から聞くその子は、個性豊かで、そのエピソードを聞かされるたびに、「素晴らしい」と私は快哉を叫んでいました。
偶然にも彼女も京都大学理学部へ進学。キャンパスライフを謳歌してらっしゃいます。
大学までスマホを持たない、歩くのが速い、献血に情熱を燃やしている。この三つは成瀬と息子は共通していました。息子も少し変わった人種に分類されると思います。その息子も別の大学で羨ましいほど毎日をを楽しんでいます。
ぜひ3巻まとめて読んでみてください。待合室に置きますと言いたいところですが、娘も息子も読むのを楽しみにしてますので、当分予定はありません。
できれば、中学生、高校生に読んでもらいたいです。
周りに陽を照らし続ける「成瀬あかり」。
たぶんこれで成瀬三部作は完了です。
私は素晴らしい友達にばかり巡り合って、陽を照らしてもらって生きてきたので、彼らには感謝しかありません。
ただ良い友達に巡り合うのは、自分にも何か魅力を持ち続けることだと、ひそかに思っています。
