ノーベル賞の季節です。昨日は、医学生理学賞に大村智先生、そして今日は物理学賞に梶田隆章先生が受賞されました。誠に慶賀にたえません。そして、毎年これらの発表を聴くにつけ、わが身を反省するのです。実は2012年医学生理学賞を受賞された山中伸弥先生とは、私市大整形外科教室の同期です。自慢にはならないのですが、私は知人・友人には素晴らしい人を持っているのです。偉そうな言い方をすれば、山中先生とは持った才能はあまり変わらないと思うのです。では何が決定的に違うのか?今回の発表に関する報道を観るにつけ、痛感します。「志が違う」ようは、学問に対する志なんだと思います。研究を極めたい、人類の役に立ちたい、これが何より一番好き・・・私には、残念ながら、これがなかった。ただ医師として人のために働きたいだけであった・・・(これには私なりの言い訳もありますが)。といって、開業医になった現在、自らの進んだ道を後悔しているかというと、それはまったくありません。最終的には開業医になっていたと思います。ただ、そこに至る道に最善を尽くしたかと自問すれば、「否」と言わざるをえないのではないか。だからノーベル賞報道に接するにつけ、痛恨の思いがこみ上げるのだと思います。残り少なくなった人生、悔いを残しつつ死にたくはないと、今は思います。すぐ忘れるのが、ダメ男の所以です(涙)。