今月は、父の命日がありますので、朝5時起床で81歳の老母とお墓参りをしてまいりました。
西澤家の墓は、但馬の日本一高温の源泉をもつ湯村温泉から、山の中に入った小さな里にあります。
ほんとなら温泉街で宿泊し、骨休めしたいところですがそうもいきません。
幸い(残念ながら)高速道路がのおかげで、3時間ほどで行けます。往復400kmの工程は年々きつくなってはいますが。
私には関係ないけど、ご先祖様は豪農だったとかで、墓所には侍の墓と伝えられる飛び地の分も含めて、墓石が10基もあります。
都会の墓地とはちがい、水道などありません。毎回30ℓの水と、抱えるように生花持参です。
掃除に通常1時間。今回はつつじの枝打ちに小一時間を要しました。
毎年、彼岸、お盆、5月、命日のある11月の年5回墓参します。
もう遠い親戚しかいない田舎の人に(私は大阪生まれですので、故郷ではありません)、「都会のもんは墓を粗末にする」と言わさないために意地をはってる部分もあります。我が家には仏壇もありますからね。
当然、我が家の墓所が常に一番きれいです。
自衛隊がPKOのときに、装甲車などをわずか10㎝間隔で寸分の狂いなく整列するところを見せつけ、他国の軍隊に「こんな軍隊と戦ったら、絶対勝てねぇ」と思わせるのに似ています。
無言で「なめんなよ!」と示威しているわけです。
でもこれは私が関西在住だからできること。墓を移すのは、我が家のアイデンティティーが失われそうで踏み切れません。将来は息子しだいということになります。
人口減少はさらに進みますから、お墓の維持は困難になりますし、地域とお寺の関係も激変するでしょうね。日本崩壊の一歩はこのあたりから始まるかもしれません。
仏教関係者は、もっと危機感を覚えるべきでしょう。
お世話になっているお寺を訪れた後、但馬牛の昼食で少しリッチな気分。ノンアルコールは非常に悲しいけど。
帰路には、60年に一度の御開帳という、福崎の神積寺のご本尊を拝んでまいりました。
稲刈りも終わり、紅葉に澄み切った青い空。ほほを刺激する空気に初冬を感じたのでした。