先日、気の合う開業医仲間4人で製薬会社の担当者を接待しました。「逆やろう」って?ふつうそう思いますよね。でもこのとおり。ゆっくりと時間のとれない普段の面談を離れて、じっくりと会話したい方をご招待したわけです。それでも「じっくりと話したいのは製薬会社じゃぁ」と思われるのも当然でしょう。でも実情は異なります。私たちは、彼らと話す時間をとって、得することは何もありません(断言)。会う必要も感じません。皆さん、製薬会社の医者一人への接待限度額はいかほどと思いますか。正解「3000円」。笑うでしょ。和〇でももっとかかりますよ。私は父から「ただ酒は飲むな」と言われていたので、基本的にこういう接待は受けないできました。残り数少ない楽しい食事のチャンスを奪われたくありません。それに3000円で「接待してやった」なんて片腹痛い。なめてんのか。苦痛ですらあります。飲み食いは自腹が一番です。当然、自分の意思を貫きます。会う意味のない奴は招かない。医療物の多い最近のTVドラマでは、何かと医者生活が派手に扱われていますが、実際は地味でしんどくつらいものです。なぜ医学部志望者がこれほど多いのか理解できません。でも視聴者はそうは考えませんよね。「白い巨塔」の財前五郎だって、夜な夜な北新地で飲んで、ホステスとねんごろでした。今では絵空事です。現に、私の友人の公立大学医学部教授は、就任5年、一度も接待はないそうです。二人で会うときは、いつもそこそこの居酒屋です。ではなぜ製薬会社と会うのか。それは薬剤の情報を仕入れるためです。日進月歩の医学は常に最新の知識のアップデートを要求されます。それには手っ取り早いのです。もちろん自社に有利になるように情報にはバイアスがかかるので注意は必要です。中には営業所長に「訪問したという事実」を報告したいだけのタワケものがいますので、こいつらを排除せねばなりませんが。何の得にもならない製薬会社との付き合いは、人生の無駄に感じることが少なくありません。診察でへとへとの身体で、なぜコーヒーすら飲むこともできずに、時間を使わなあかんのか。この記事を読んだ、我が担当社員の諸君。私に連絡くださいね。少しは覚えがめでたくなるかも(爆笑)。そしてそれなりの覚悟をもって、当院に来てください。薮蛇になならないようにね。