皆さん、医師会というと政治的圧力団体と思ってられる方が多いのではと思います。
それは大きなとは言いませんが、まちがいです。
マスコミが作った虚像です。医師会を金の亡者に仕立て上げて報道すれば、庶民の劣情に触れて、溜飲を下げさせることができていいわけです。
マスコミと結託している厚労省も、医者が儲けている→医療費を下げて儲けを減らす→国民が喝采!という図式に乗れるので好都合なわけです。医療費が下がれば、医療の水準は下がるのにね。
毎年診療報酬の改定時期になると、開業医の年収はこのくらいという修飾されたデータを報道されます。
昔、武見太郎という強面の会長が活躍されたので、国民にそう思われるのもある程度は仕方ないのかもしれません。私も開業するまではそうでした。
しかし、医師会は学術団体なのです。
自民党への献金は、医師政治連盟という別団体からのものです。それに共産党を支持する医師もいますし、整形外科では今も元民主党の議員を応援しています。
今回の総選挙でも「誰々に投票せよ」という指示は一切ありません。
では医師会はどんな活動をしているのか。
それはほぼ日々の診療のほかに、地域保険の根幹を支えていると考えていただければいいかと思います。
学校医、各種の検診、病院と診療所の連携の模索。介護保険、障害者医療、公務災害などの認定審査、自治体の救急医療への出務などなど、大災害の際は全員が出務すべくヘルメットまで配られています。
毎日のように医師会館や役所で行われるそのための会議も、みなほぼ手弁当です。
最近、雑務に追われることを嫌い、医師会に入らない開業医が増えてきました。彼らの思いもわかります。開業は生き残るのに必死なのです。
しかし今後学校医など、必要不可欠な地域保健業務が立ちいかなくなるのは必定と私は考えます。私が受け持つ側彎症検診の担当校は初めの3倍になっています。
学校医のなり手もなく、私も理事を務める学校医会でも解決策の見いだせない最大の問題となっています。
また大災害が起こったとき、トンズラこく医師が続出するのではと危惧します。
弁護士が弁護士会に入るのが必須であるのように、医師会に入会しなければ開業できないようなシステムをつくる必要があります。