以前、このブログで打撲や捻挫の応急処置について書きました。(時々は有益な情報も書いているのです)

大事なことですので、堺市医師会の広報誌にも掲載してもらおうと少し加筆修正して、かつ表現を柔らかくして書きました。(医師会の広報委員も拝命しております)

先日入稿してやれやれと思っていると、今朝7時「重篤な筋損傷に対しては、アイシングするとかえって治癒を遅らせる可能性がある」という論文を読みました。

びっくりして目が覚めました。また半可通な方が増えて困るやんけ。

「重篤な」というところがミソで、普通なら問題ないのか?重篤とはどの程度?とか突っ込みどころ満載です。しかも基礎研究。すなわち動物を使った実験です。人間にも当てはまるのかどうかはわかりません。

でも善意の市民とやらがクレームつけてくると厄介なので、追記をしました。いやな世の中です。新聞と違って、署名記事です。

でもね、医学ってそんなもんですよ。研究って先人の発表を追随していては評価されません。

誰も考え付かなかった研究をするか(理想ですが)、定説を覆す(いちゃもんをつける)かしないと評価されないのが研究の世界です。

一昔前、「卵はコレステロールに悪い」て信じてませんでしたか?私は馬鹿めと笑っていたけど。

年いったら太るなとも言ってたよね。今は「やせるな」です。デブがあかんのは当然やけど。でも小太りが長生きするのは昔からわかっていたこと。以前から通院中の患者さんは「コレステロールなんてあまり気にしないで」と私が言ってたのを記憶されてる方も多いでしょう。

これはどうなるかわかりませんが、私は「ある程度の高血圧は容認」する者です。血圧低いと脳の隅々に血液が行かんのと違いますか。自分でも実践しています。

今は知りませんが、以前は区役所に「一万歩歩きましょう」という垂れ幕がかかっていましたね。1万歩歩いたら何がいいのか?このスローガンのもとになる論文をどれだけの内科医が知っているのか、そもそも読んだことあるのか?これに騙されて(言い過ぎか)歩きまくり、膝や腰が痛く脚がしびれて困っている方を多く生み出しましたね。今も万歩計を手放さない可哀そうな方々がいます。

罪深いよなぁ。

愚かで思慮の浅いマスコミは、「世間受けしそうな話題」に飛びつきますからね。

医学は変わります(進歩しますとは言いません)。当たり前。

TVで得意げに話す「専門家」を信じちゃだめですよ。

コロナで散々騙されて、いまだに騙され続けているのだから、いい加減眼を覚ましましょうよ。