「働き方改革」という言葉を知らない方はもういないと思います。

要は「日本人は働きすぎだから休める世の中にしましょう」という考え方です。

休む人が増えれば、当然仕事ははかどりません。当たり前です。

今まで通り経済活動を維持するのならば、労働効率を高めるしかありません。

厚生労働省は、官僚の中でも馬鹿や屑の集まりだと確信しますが、この一点をもっても明らかです。

有給休暇を取得するのはいいとして、その労働力のかけたところをどう補うのでしょう。当院みたいな従業員10名程度の零細企業でも同等に扱われます。

100人が働く職場で一人や二人休もうと影響は微々たるものでしょう。うちなら朝は6人体制です。一人休めば件の職場では16人休むに等しい。やってられません。

パート職員と言えども、有給休暇を与えなければ一人60万円の罰金です。1年100万円の利益もない私に、どうしろというのでしょう。先日もエアコンの修理に300万円近く使いました。これで今年度赤字決算です。

ほとんど共産主義国家の様相を日本は呈しています。石川啄木の心境です。

医療と言えども、従業員の権利を守ることが優先されます。来年はもっと厳しい状態になりますので、患者さんには今までのように、ご期待にお応えすることができなくなることをここにはっきりと申し上げます。

4月からは医師の働き方改革が始まります。勤務医の労働時間が大きく制約されます。今までは、自院で勤務したのち、当直のアルバイトなどをして安月給の糊口をしのいでいましたが、総労働時間が制約され、当直できなくなります。救急病院の当直医師の手当てができなくなり、救急医療を放棄する病院が激増するでしょう。

また労働時間を厳守するため、病院の受け入れ患者数が制限されます。昔のように人気の先生の外来が夜の8時9時まで続くなどありえません。看護師も検査技師もレントゲン技師も勤務終了です。紹介患者さんの受け入れも厳しくなるでしょう。

医者は働きたくても働けない時代が来ているのです。

国民は覚悟するべきでしょう。

さすればどうなるか?病院は利益をださねばなりません。状態が変わらないのに。通い続けている患者さんは病院から放逐されるでしょう。新患患者を受け入れなければ検査も手術もできませんから。

労働時間が減れば医師の収入は減ります。これだけの責任を負わされて上場企業の社員より安い給料なんてありえません。優秀な医師は病院から逃げ出すことになると思います。

労働生産性を上げることをおざなりにして、労働時間の短縮に血道をあげる厚労省のばか官僚の所業の結果を。国民は受け入れることになります。

ご愁傷さまです。

これに加えて、この物価高騰の時代、診療報酬の減額が語られています。そうなれば閉院する医療機関が増えるでしょう。医師が集まると、けっこう年金の話題になることが増えてますからね。いくら誇りを持っても、対価が欲しいのが人情でしょう。

医師は儲けすぎというマスコミと政府の扇動に踊らされ、劣情むき出しに、それに快哉を叫んだ国民につけがまわります。愚かなことだ。

労働生産性を少しでも上げるため、せめて紙保険証を廃止してマイナ保険証の使用を全国民に義務化し、スマホ決済やクレカ決済の手数料を払っても黒字になるような診療報酬体系を構築してほしいものです。

当院、職員が不足しているので求人募集していますが、相場の2割増しの給料でも電話一本なりません。

医療はそこまで逼迫していることをお伝えします。痛い目に合うのは国民です。