開幕まであと三日となりました。ブルーインパルスの試験飛行もありましたね。

私たち小学生の間で、万博パビリオン入館記念のスタンプ競争が起こったのは以前お話ししました。

そうなると新たな刺激を求め始めます。

期間の後半、同級生の間で流行ったのが、サイン集めでした。

何のサイン?

外国パビリオンのコンパニオンのお姉さんにサインをもらうのです。

芸能人なんかではありません。彼女たちもいわば素人です。

国際化とはいえ、外国人と言えばプロ野球選手をテレビで観るか、街で見かけるモルモン教の自転車部隊くらいでした。黒人を眼にするのはプロ野球くらいで、アラブ系の人も見ませんし、インド人や東南アジアの人々に出合う機会もまぁなかった。

町中で外国人旅行者を見かけたら、振り返ったくらいです。

外国パビリオンで、いろんな容貌の外国人に出合えたこともすごく刺激でした。

私はインド館のお姉さんと、南ベトナム館(まだベトナムは統一されてなくてホーチミン市はサイゴンでした)のお姉さんにサインをもらいました。

北に吞み込まれた南ベトナムのお姉さんはどうなったのか、コンパニオンに選ばれるくらいだから知識階級や上流階級出身だったろうから、共産主義者の目の敵にされなかったかなど、心配の種は尽きませんでした。「探偵ナイトスクープ」に探し人依頼してあわよくばベトナム観光などと妄想したりもしました。

サインひとつで蘇る思い出。

子供たち頑張れといいたいです。万博の体験はきっと将来役に立つ。

維新憎さのあまり、環境を言い訳に遠足拒否している自治体は何を考えているのかと問い正したいです。

55年の歳月を強く感じるのは参加国が様変わりしたことです。

先の南ベトナムはすでにありません。

アラブ連合はシリアとエジプトに分かれました。ドイツはその後東ドイツと統一しました。コートジボアールのことを象牙海岸などと今では言えません。日本で中華民国と言っても若い人はわかりません。

世界が混迷していることは、万博を通して理解できます。