「ドラゴン桜」が終わった。

ご存じない方に簡単に説明すると、いわゆる落ちこぼれ高校の生徒が、一人のカリスマ教師によって東大合格を目指すというストーリーのドラマである。

愚息が見たいというので「東大受験せん奴が」と言いつつ親子で観た。

もうちょっと現実感のあるい設定にしてほしかったけど、でもその通りと膝を打つことしばしであった。

私は日ごろから「特技のない奴は勉強するのが一番簡単」と言っている。

スポーツや芸術で身を立てるほどになるのはどれほど難しいか。ほぼその分野でひと桁に入らなければいい目はしないだろう。

プロ野球ですら、ドラフトで指名されるのは70名ほどである。しかも平均在籍年数は6~7年。割に合わない。

数字の裏付けがないと説得力がないので、数字を挙げていく。

だいたい今、1学年100万人少しである。これからどんどん減っていく。

かたや東大の定員は3000人超。京大は2850人くらい。誰もがうらやむ旧帝大は18200名合格する。加えて一橋や東工大、また旧制高校の大学で約15000名。それと国公立の医学部で約4500名。重複を差し引いても計35000名はくだらない。早稲田・慶応の合格者は計20000人を超える。全国にある他の国立大学を加えればほかに世間に羨ましがられる大学を入れればどれだけ広い門か。

20名に一人はそこに籍を置くことができるだろう。

となればクラスに二人である。

野球で身を立てることが桁違いに困難であることがご理解いただけるだろう。

しかも野球は皆それが好きで打ち込んでいるが、勉強はそれが好きという人間は少ない。

勉強で身を立てるのは楽なんである。社会に用意されたポジションも多い。

ただし、高校に入ってから始めていてはしんどい。よほどの努力が必要である。高校から野球を始めてプロに行ける人間がほとんどいないように。

東大や京大の医学部に行くにはそれなりの地頭が必要だろうが、それ以外なら努力を惜しまなければ中学以降の勉強で、誰でも十分成功をつかみ取ることができると断言する。

ただ惜しむらくは、その努力をほとんどの人ができないということだ。ダイエットできないのと同じ。

自ら自分の限界を決めているのである。その人に栄光の来る確率は低い。

私は今でも努力を惜しんだことを後悔している。