老眼をしょぼつかせながらチョコチョコ読書に励んでます。

どなたかの文章の中にでてきたときに、心の琴線に触れたのでしょう。

村田紗耶香さんによる今から7年前の芥川賞受賞作「コンビニ人間」を読みました。

持っている感情のありようが大多数の人と違うために、一般社会に同化できず、コンビニに働く女性が主人公です。

最近無人コンビニの出現が話題になっていますが、この本を読んで納得しました。

基本コンビニでは感情の発露を必要としないのですね。商品を購入したり手続きを行う。ただそれだけ。そこには感情の入る余地はありません。当然心の通い合いも。

なんだかコンビニで雰囲気が和むような行動をとっていた自分が馬鹿に思えてきました。

といって店員さんの程度が低いなんて思ってないですよ。本文中にもありますが、季節や、その時の天候、周りの環境を素早く把握し、売れ筋商品を過不足なくそろえるなど、ぼんやりした頭では不可能でしょう。段取り良く動かないと業務が停滞します。

ただ人間的な交流を求めるには、コンビニは不向きであるということです。

コンビニに限らず、多くのチェーン店には接客マニュアルがあり、私にはまったく心地いい物ではありません。スマイルも含めてね。

ハンバーガーチェーンも無人化できるよなぁと考えたのでした。

医療機関も接遇講座などを利用して、職員の応対を平準化しているところがあります。私は人と話すことも治療の一環だと思うので、当院に応対マニュアルはありません。皆自分の言葉でしゃべります。それが職員自身、自らを高めることになると信じます。

そういえば、心の交流を拒絶するような、もしくはそれができないか、仕方がわからなさそうな患者さんが増えてきました。職員が何よりしんどくなります。

ちなみに私はほとんどコンビニを利用しません。ほぼすべての商品が割高ですよね。パリで極貧生活を送った私たちは、よほどのことがない限り利用する気が起こらないのです。切手や、宅配便、振り込みなどは利用しますが。

子供達にも、コンビニを利用する人間は豊かになれないと教えています。

コンビニやスタバの利用頻度と預金残高の関係を調べれば面白いと思います。

待合室に置いておきます。割と簡単に読めます。