昨日のクリスマスイブは皆さんいかが過ごされましたか。
診療しておりますと、まったくクリスマス気分にはなりませんね。「家族団欒」という言葉はまだ、日本に残っているでしょうか。
何度も申し上げていることですが、我が家は貧しかった。でも幸せということでは、どこにも負けなかったとも思います。日本全体も貧しかったし、明日への希望に満ちた社会でしたね。
クリスマス前の週末は、必ずミナミへでかけました。あの頃の戎橋筋は家族連れでごった返していました。アーケードにジングルベルや赤鼻のトナカイ、その年のヒット曲が流れていました。
貧乏ですから、上等な店には入れません。「蓬莱」か「丸十」という寿司屋か、「はつせ」といううどん屋さんです。僕も妹もそれで幸せでした。
帰りは決まって、「不二家」か「パルナス」のケーキでした。今の基準で行けばコンビニでも売らないレベルでしょうね。生地の間はジャムでした!それでも帰宅してろうそくに灯をともして、家族で分け合って食べたケーキ。上に載っているチョコを妹ととりあいました。
日本の経済成長に伴って、我が家のケーキのグレードも向上したけれど、あの時以上の幸せ感は得られません。
親になって、今度は子供を幸せにする番です。そうなると、私たちは幸せを感じられません。満ちることがないですから。子供たちのために一生懸命生きること自体が私の幸せなのでしょう。
正月、誕生日はもとより、クリスマスもできるだけ揃って過ごすようにしています。次女が遠方に住んだり、長女がアルバイトであったりしますが。
我が家で供されるケーキはすべて家内のお手製です。ケーキ作りが好きというのもあるのですが、いつの間にか子供たちがそれを望むようになりました。口がそうなっているのでしょうね。たまに有名なパティシエの作品を購入しても、頸をかしげています。
私の母の味は「玉子焼き」ですが、子供たちの母の味は「ケーキ」かも。もうすぐおせち料理造りが始まります。