読書が好きな私ですが、いつも硬い本ばかり読んでいるわけではありません。昔探偵小説、少し前なら推理小説、現在はミステリーと呼ばれる分野もおおいに楽しんでいます。ただこれらは再度読み返すとか、コレクションに並べることもないので、たいていは文庫本または図書館で借りて読むことになります。最近は図書館も時間がなくていかなくなりました。今日お伝えする本年11冊目の本は、ミステリーから派生した?警察小説です。 隠蔽捜査 今野敏著 新著文庫 1~5 「隠蔽捜査」 「果断」 「疑心」 「転迷」 「宰領」の5冊TVドラマで警察ものがよく放送されるように、けっこう人気の分野なのではないでしょうか。他にも佐々木譲さんの北海道警シリーズや横山秀夫さんの「半落ち」などの著作なんかが有名ですね。どれも一気に読んでしまう力強い作品でした。今野さんの著作も警察小説の珠玉の作品が多く、またなぜかガンダムものなんかの毛色の違う作品も手掛けられ面くらったこともあります。隠蔽捜査シリーズは、たまたま年明けから春にかけて出張で新幹線に乗ることが多く、新大阪駅で手に取ったのが最初でした。私は新幹線内ではPCはさわりません。ビールとあてを横に置き、読書三昧です。同じ理由で、週末の講演会もよほど時間がない限りはタクシーでなく電車で出かけます。読書時間を確保したいのです。警察小説は大きく2つに分かれます。現場の捜査官が主人公のもの。警察の中枢たる高級官僚が主人公もの。この「隠蔽捜査」シリーズは、バリバリの高級官僚がある理由で、現場の警察署長に降格されそこで大活躍するというシリーズです。現実にはありえないでしょう。官僚の責任の取り方は辞職以外ないからです。ただ一般の警察小説が官僚警察官は自分の出世が第一の人間として描かれるのが常なのに、本作では極めてまっとうに自分の職務を果たそうとする主人公であることです。1冊目は東京への車中と、その日の宿泊先で読了。翌日は帰路に2冊目を求めまして、都合東京2往復で4冊を読み終えました。そして3月に発売さればかりの5冊目をまた一気に読みました。仕事とは何か、家族愛とは?などなど問いかけるものが多いように感じます。娘にも渡すと彼女も一気に読破したようです。警察官僚は上級国家公務員の中でも、優秀な成績をおさめた人が進むのですが、高校の同級生が今も二人、がんばっています。一人は福岡県警本部長で、徹底的に暴力団の壊滅を目指して命がけです。もう一人は今月末オバマ大統領が来て、テロ対策や、政治的運動が熱くなるでしょう広島県警察本部長です。どちらかは2,3年後には大阪府警本部長に昇任して、その後警察庁長官に上り詰めるのではないかと楽しみにしています。彼らが家族の命も危うくするような状況下で、己の使命を貫徹すべく努力している姿を見るとき、診療と雑用にしんどいなんて戯言を言ってはならぬと心を新たにするのです。私や職員まで言ってくだされば、お貸ししますよ。スマホより熱く満ち足りた時間を過ごせること請け合いです。