シリアから多くの難民が発生し、欧州へ移動しているのは皆さんご存知の通りです。ISの残虐ぶりもご存知ですね。そんなISへ志願兵として渡航する若者が後を絶たないのも我々には理解しがたいものです。以前、北大生がISへ渡航しようとして、その橋渡しをしようとした人物として、華々しく?表舞台に立ったのが高校の同級生だった「中田考」君でした。例によってステレオタイプなマスコミは、「ISにつながりをもつ怪しげなイスラム法学者」のレッテルを貼りつけましたが、私には到底信じられませんでした。公安に携帯まで押収されていた渦中、サンテレビの「カツヤマサヒコSHOW」に出演し、淡々とイスラムを語ったのが非常に印象的でした。(ご覧になりたい方はDVDにしてお渡しします)。高校時代から、彼はある種の有名人で、年中半袖の開襟シャツで通し、趣味でアマチュアプロレスを楽しみ、確か「バロン・エリック」のリングネームを名乗っていた。灘高校には、私のような常人では理解しえない才能を持った生徒が雲霞のごとくおりましたが、中田君もその一人だったようです。在学中会話を交わしたことはありません。ただ常に遠くを見通すような静かな眼が印象的でした。卒業も「中田、東大出てエジプト行ったらしいで」「中田、イスラムに改宗したらしいで」などと風の噂には聞いておりました。その中田君と、さらに同級生の中でも突出した異能の?持ち主である勝谷誠彦君の対談集です。本年16冊目の本は 日本一わかりやすいイスラーム講座 中田考・勝谷誠彦 アスコム 1200円 これほどわかりやすいイスラムの案内書はないのでは。なぜイスラムに僧やや牧師にあたる人間がいないのか、イスラム国がなぜああ易々と支配域を拡げられるのか、胸にストンときます。そして、それは無理やり、イスラムに国境線を引いた欧州キリスト教国や、内にイスラムであるウイグル人を弾圧している中国のたぶん苦しむだろう将来を示します。ここに欧米などとは価値観を本来共有しない日本の活躍の場が広がるのです。しかし残念ながら、北方領土と同じく、外務省の無策が国益を大きく損ねている言わざるをえません。また米国追従ではさらに日本の将来を危うくすると私は憂慮します。中東いや世界は新たな火種を抱え込んだといえるのでしょう。もはや日本もイスラムと無縁ではいられません。そんな世界で「戦争法案反対」と叫んでいる能天気さ。私も能天気に日々過ごしたいものです。