医師の仕事の一つに診断書の記載がある。専用の書式のある生命保険や傷害保険のそれや、当院発行の診断書もある。また学校でのケガなどに発行する診断書(通院証明)もある。患者さんに求められれば、拒否は許されないそうだ。この診断書、結構気の重いものである。公文書に準ずる扱いとなるからである。私情を交えず(ともすれば患者さんの立場になって書きたい衝動にかられる)、事実(カルテと、患者さんの問診票)のみを記載する。よかれと思って書いたことが、のちに裁判に巻き込まれ医師も責任を負うなどという事例が発生することもある。診断書には医師に重い責任が生ずるのである。すぐ発行する必要がある時は仕方ないが、私の場合、診断書の記入は診療後すべての職員が帰宅した後の静かな診療所で行う。それほどに気を遣う。だから、診察時に診断書を示して「今書いて」と言われても困る。たぶん、チョイチョイと書いていると思っているんでしょうね。だから診断書料はどこの医療機関も結構高い料金を設定していると思う。負わされる責任を考えたら、妥当かなとも思う。ただいくら収入になっても、書きたくない診断書もある。学校が生徒に書いてもらえという診断書である。ケガをして体育ができないとか、学校指定の靴がはけないとき、教師がその旨の診断書を要求するのである。ただ違うんやで。診断書料を学校が払うのではあるまい。生徒負担である。もっと生徒の事信頼したれや。見たらわかるやろ。診断書料は、それを要求する者が支払うべきだと思うが、いかがか?
2019-07-02