昨年よりましとはいえ、すでに夏バテ気味です。皆さま如何お過ごしでしょうか。私は親の教え、中学の塾の教えもあって、人の嫌がる仕事を積極的に引き受けております。その一つに、大阪市大整形外科開業医会の副会長職もその一つです。50年近い歴史があります。今回その会報巻頭言を執筆する機会をいただきましたので、それをそのまま掲載します。私の生き方を少しご理解いただけるかと思います。           巻頭言  令和を迎えて思う    副会長 西澤 徹 令和の御代が始まりました。皆さま誠におめでとうございます。国民一人一人が「令和」の担い手としての覚悟が問われます。 「天は自ら助くる者を助く」中学時代に英文解釈で出会って以来、私の座右の銘としております。少子化が進む日本に、今までの発展は望めません。であれば、皆が歯を喰いしばって生き抜くしかないではないですか。米中による世界の覇権をかけた戦い、欧州の崩壊、北朝鮮・イランの核開発による中東の不安定性、アジアにおける軍事・経済バランスの不均衡。世界は今やカオスと言っていいでしょう。そんなタイトロープの上で日本は消費税増税をするのでしょうか。それが国益ですか?悪夢の再現を危惧します。「令和元年が日本の分水嶺」でなければと心から憂います。その国難を招くのも救うのも国民です。 「滅私奉公」中学時代の塾の先輩が常に言っておられた言葉です。彼はキャリア公務員となり、その後代議士となって、夭折されました。今もこの言葉を眼にすると、震える思いがします。医師にはそういう面が要求されるでしょう。学会や同門会、地域社会に携わることもその一つですね。先日、心から尊敬するR先生が逝去されました。一緒に働いたことはないけれど、なぜか研修医の頃から可愛がっていただき、開業する際もお世話のひと言で済ませられないくらいお世話になりました。先生は市整会会長時代に、勤務医会との融和、市整会員内の団結に非常に心を砕かれました。「お前はOCOA(註1)には行かず、市整会(註2)でがんばれ」と言われていたのに。もっと市整会の運営についてご意見を拝聴したかったです。あの笑顔をもう見られないと思うと残念でなりません。市整会のさらなる発展が先生へのご恩返しと感じています。この5年間に、小学生の頃から励まし高めあった竹馬の友(医師)が相次いで他界しました。不思議と「俺は長生きしよう」と思わないものなんですね。「次は俺かぁ、もう少し待っててな」とだけ。そして「二人に恥ずかしくない生き方しよう」と。若いころから「人間死ぬ時が勝負」と思ってきました。「ええ人生過ごしはったんとちがう?ちょっと変わってたけど」と言われる人生を送りたい。 「ただ生きるな、善く生きよ」ソクラテスの言葉だそうです。昨年亡くなった勝谷誠彦君の座右の銘でもありました。祖国のため、そして家族のため一所懸命生きたいと思います。  註1;OCOA 大阪臨床整形外科医会のこと。大阪の整形外科専門医の開業医で構成する。会員約500名。全国組織が日本臨床整形が学会。年15回の勉強会を開催。 註2;市整会 大阪市立大学医学部整形外科開業医会のこと。大阪市大整形外科医局員として整形外科の研鑽をし、開業したものの集まり。年6回の勉強会、文化講演会、日帰り旅行、ゴルフコンペなどを行う。