人の習慣、行動はなかなか変えられないものである。

11月下旬の、凛として冷やりとした空気の朝だった。

父の葬儀の朝。通夜を明かした私は、新聞を取りにでた。

自宅で通夜葬儀を行うのだと設計した自宅。考えてみれば河内長野の山奥に参列させられる方々はいい迷惑である。当時は父の思いをかなえてやることで頭がいっぱいだった。

たぶん朝食も摂ったのだろう。することもなく、TVのスイッチを入れた。

まもなく松任谷由実さんの「春よ来い」が流れてきた。1年前の朝ドラの主題歌だった。

歌詞がストレートに心のど真ん中を貫いた。涙でぐしゃぐしゃになった。

この時、「春よ来い」と父がリンクしてしまった。

大ヒットした曲だから、立春の頃からラジオで頻繁に流れる。運転中だともういけない。

何度路肩に車を停めたか。それが何年も続いた。

それから15年ほど経過してようやく何とか落ち着いて聴けるようになったころ、東北を大震災が襲った。

その後の自粛ムードで、お笑いどころか、歌番組もなくなった。どこかでアニメを放送して不謹慎と言われてなかったっけ。したり顔の上から目線である。こんな時こそ笑顔。

その中、ラジオから「春よ来い」が頻繁に流れだした。また父を思い出し、うるっとなりそうになった。

しかし被災者を勇気づける歌なのだと気づいた瞬間、心がとても軽くなり非常に前向きな気持ちになった。

冬が長く冷たく雪の降る東北だからこそ、ふさわしい。

以後自分への応援歌とも考えることができるようになり、東北を想ってラジオと共に口ずさんでいる。

本日震災より10年。

たかがコロナで、嘘垂れ流しのマスコミを妄信し、わが身ばかり心配している日本人に、心から絶望する。

せめて今日のニュースもワイドショーも東北を先頭に持ってきてほしかった。

そして、東北を思いやっている気でいる国民に告ぐ。

東北を想うのなら、福島の農産物を買え。被災地の海で獲れた魚を食え。原発からでる処理水をためるタンクのおぞましさを想像しろ。

共産党と朝日新聞によってねつ造される「市民団体」の行動を疑え。

なんの行動もしないなら、お前らは奴らと同類だ。私もその一人だ、糞め。

更なる怒りが沸き起こる今日。