大学医学部付属病院のほとんど全部が赤字だとか、病院の7割が赤字だとか、最近医療の行く末を案じる報道が増え始めました。

高市さんが総理になれば少しは改善するのかな。とりあえず大学病院、公立病院には税金を投入せねば成り立たないと感じますが。

さて、街中の診療所が大丈夫なのかと言いますと、これも難しいですね。

診療所は必死で支出を減らす努力をしています。

薬剤の購入も通販利用は当たり前。物品の購入も1円でも安く仕入れる努力をしています。トイレットペーパー一つでも嫁さんはチラシのにらめっこです。

それでも、立ち行かなくなってきました。

知り合いの先生が70歳で閉院しました。理由は人材確保ができないから。あてにならないからと当院は雇用していませんが、理学療法士が不足しています。ひところは人気職種でしたが、医療を取り巻く情勢の厳しさに志望者が減り、理学療法士養成学校が次々閉院しています。給与の安い職種を若者は選びません。同じく地方から看護師養成学校の閉鎖の話も次々届きます。産業のない地方でも、医療職は将来に明るさが見えない職種なのでしょう。

医療は国が決めた公定価格ですから、物価高騰に追いつけません。

この先生は3年間に理学療法士、看護師が4名退職し、結局一人も補充できなかったのだそうです。名古屋市でこれです。僻地の話ではありません。医学部の志願者も減少の一途です。

月末は嫁さんと通帳のにらめっこです。成長率3.5%なのに石破の馬鹿が最低賃金を5%以上上げやがった。医療費は全く上がりません。今までの貯えを吐き出し、私の給与をさらに下げる以外経営はできません。

おそらく来年は、危機の叫びが国民に届きやすい大学病院や公立病院に手厚く診療報酬が改定されるでしょう。その財源は診療所の収入を減らす方向です。国民が負担増を許すはずもありませんから。

さらに2030年国が決める電子カルテの導入が噂されます。それに向けて診療所の閉院が相次ぐでしょう。75歳くらいまで頑張ろうかなとおもっていた私ですが、70歳になるこの年は心揺らぐのです。赤字必須なのに一千万円近くを使ってシステムを変更する意味がありません。

1億円以上使って新規開業した診療所にはご愁傷様と言わせていただきます。

街医者がこれから消えていきます。

患者さんにおかれましては、元気で長生きするには、医者の目利きが大事と申しあげます。