いよいよ本年も押し詰まってまいりました。

御用納めのあとは、毎年恒例子供たちとスキーにでかけ、ひたすら雪面を凝視し、夜はたくさんお酒をいただき、一年のけじめをつけてまいりました。

本日の午前中は傷の手当の必要な患者さんをお迎えし、書類書きや保険請求の準備で過ごしました。勤務医時代から元旦は、外泊できなかった患者さんを診察するため病院で過ごしていましたのでその名残ですね。明日も診療所で雑用しながら静かな一日を過ごします。

家事が何一つできない私ですので、大晦日は粗大ごみと化します。午前中は家人が餅つき機で御鏡さんや丸餅をこしらえます。

大晦日の昼ご飯は「おろし餅」と決めてます。母方の祖父は代々続く大工の家でして、職人さんが多く居候していました。年末御用納めの28日、総出で餅つきをするのが習わしでした。朝から廃材などでもち米を蒸します。午後からはほぼ暗くなるまで餅つきです。

じいちゃんは、火鉢にあたりながら、餅つきと。伸し餅(三重県がルーツなので)、御鏡造りの監督です。「餅とややこはきつくあたれ」謎の名言が頭に残っています。長男は臼とりと決まっています。爪がなくなるそうです。

全部終わると、大人たちはつきたてのお餅を大根おろしにちぎって入れて「おろし餅」。子供たちは別室で「安倍川餅」でした。私は初孫でしたので、大人のところに入れてもらったりして、「おろし餅」の美味しさに目覚めました。

「これは大人の食べ物」と少ししか食べられず、「大人になったらおろし餅で日本酒を一杯」というのが小さいころからの夢でした。

大人になった時には、祖父が弱って、自然と餅つきは亡くなったのですけど。だから余計、おろし餅に対する執着心があるのかもしれません。大晦日のおろし餅。これが食べたいがために、自家製の餅を作り続けているのです。

皆さま、本年も大変お世話になりました。来年も激動の一年となるでしょうが、精一杯祖国のため、患者さんのために生きたいと思います。

どうぞよいお年をお迎えください。