コロナ禍にあって、最近のワイドショーで日本医師会がどうも悪者にされてきたような気配があるので、ひと言書き記す。

つい最近までは、時短に応じない飲食店をやり玉に挙げていたのに。世間の風向きが変化したら次の生贄を探す。相変わらず節操のない、行政とマスコミである。

最初に言っておくが、私は今の日本医師会会長を支持しない。会見するたびに溜息が出る。誰のために、何のために開いているのか?何を言っても言い訳にしか聞こえない。

あまり知られていないようなので確認するが、「医師会に入会しなくても、医師としての活動は自由に行える」のである。弁護士は弁護士会に入らないと活動できない。そこが決定的に違う。

大阪でも医師会に入らないで診療所を経営する医師は増えてきた。勤務医もほとんどは医師会に入っていない。東京ならば、もっと医師会入会率は低いだろう。TVで嬉しそうにしゃべっている医者のどれだけが医師会に入っているのか?

実は私自身医師会員でいる利点はほぼ何もない。同業の仲間と意思疎通できることくらいだ。高い入会金と毎月3万円以上の会費を払って、ほぼボランティア活動のようなことをしている。

今日も、医師会が市民向けに発行する広報誌の編集会議だった。加えて毎月1回身体障碍者のサービス利用に関わる障害度認定会議に出席する。不定期に公務災害の認定委員会もある。また堺市整形外科医会の学術活動に関する会議もある。学校健診も医師会が担っている。震災などの災害時は、医師会あげて活動することになっている。たぶんコロナのワクチン接種にも駆り出されるだろう。

医師会に入らない先生方の心持はわからないが、少なくともこのような雑用(誰かがやらなくちゃ社会は動かん)はされていない。正直うらやましい。

それを「医師会がー!」と悪し様に言われても鼻白むのである。

私も零細開業医として、まず職員を喰わさなならんのである。コロナで来院される患者さんが減ったからといって、そこらの商売人みたいに補助金目当てに閉めるわけにいかんのである。これでコロナ感染者がでれば廃業の危機である。

私の給与を4割カットして、もうすぐ1年。職員の給与は何とか維持しているが。

ゴルフの会員権、職員福利施設としてのリゾートホテルの会員権を売却しても昨年は赤字決算になった。

最近疲労を感じるようになったのは、年齢のせいだけではないと思う。

コロナに直接関係ない医療機関でも、確実に日本の医療は転換点にある。医者だけが感じている。