ロッキード事件。
総理大臣が逮捕されるという前代未聞の大疑獄事件でした。
昭和51年ですから私は11歳。
今太閤ともてはやされた田中角栄が、いざロッキード事件が起こったら、川に落ちた犬を竿で沈めるかのようなふるまいを行ったマスコミに疑問を感じておりました。子供心ながらに世間の掌返しに唖然としたことを覚えています。
「盛者必衰の理をあらわす」ですね。
無罪を主張して、当然裁判に訴えるわけですが、その途中に、子分の竹下登と小沢一郎に裏切られ(見放され?)自派閥は瓦解、ストレスの捌け口に酒量が増えたのか、裁判途中で脳梗塞を発症し麻痺や感情障害が残ったのは知られているところです。
「ほんまに田中角栄はそんな銭ゲバみたいな人間なのか」
小学校しか出ていない人が総理になったものの、学歴コンプレックスから、金にあかして権力を手に入れた。
という論調をあまりに薄っぺらく感じたのです。
大人になるにつれて、国際政治は、日本人の考えるように正義が貫かれるようなものではなく、権謀術数が渦巻き、皆自国の利益のみこだわるものであると理解するようになりました。
以前から読みたかったこれを思い切って読んでみました。
文庫本でも1300円する634頁になる大著です。
この中身が真実であるかどうかはわかりません。しかし、米国のロッキード側の不自然さ。「角栄逮捕」ありきだったのではにかという、検察、および裁判所の行いは「角栄犯罪者説」に疑問を抱かせるに十分でした。
森友学園問題や安倍派の裏金問題など今も変わりません。己に好都合なところだけを報じて、個人を追い落とすことのできるマスコミとそれに乗る無邪気な国民に諦念が湧くのでした。
待合室に置いておきます。
時間と眼の状態に自信のある方は、お読みください