このたびの伊勢志摩サミットのあと、米国オバマ大統領におかれては、広島を訪問する。あの「誰が」という主語のない、変な記念碑の前で短い演説を行うらしい。私はどこかの頭のおかしい民族のように、いつまでも謝罪を求める者ではない(もっとも彼らには謝罪を求める資格すらないと考えるが)。少なくとも、核兵器を使用したのは間違いであったと万人が理解できる言葉で表すことが必要だと考える。そうでなければ、今回の訪問は単なる「遠足」に過ぎなくなる。彼としては、「ノーベル平和賞」をもらったことだし、退任前にもう一発かまして、退任後にがっぽり稼げるポジションを確保しようと考えているのでは、と勘繰るのは下衆だろうか。ともかく、原爆投下や東京・大阪などの大空襲は罷戦闘員を無差別に殺戮したということで、明らかな国際法違反である。戦勝国だから許されることではない。これを日本人は許してはならない。真珠湾と話の次元が異なる。我が日本軍は真珠湾においてただの一人も民間人を殺めていない。さらに米国の原爆投下が、彼らが言うところの「投下によって終戦が早まった」というのは欺瞞であって、「原爆投下ありき」であったことが本日紹介する12冊目の著書によって明らかにされる。 アメリカの戦争責任 竹田恒泰著 PHP新書ここでは、日本が無条件降伏を受け入れることがないよう、ポツダム宣言を書き換えた歴史や、当時のトルーマン大統領の行動が、克明に記される。マスコミは「歴史的な訪問」とはしゃぐだろう。しかし、白人の思い上がりによる蛮行で、一瞬にして広島で20万人!の同朋が殺戮されたことを忘れてはならない。過ちを繰り返してはならないのは誰なのか。マスコミのバカ騒ぎを、冷たく見つめる視線が私たちに要求される。そのためには歴史を忘れないようにしよう。
2016-05-25