池江里佳子さんの日本選手権における優勝に感動しなかった人はいないだろう。
私は涙腺が崩壊し、声を殺せなかった。
人はここまで強くなれるのか。
レース後のインタビューで「努力は報われる」と述べてたが、「努力」という言葉が陳腐に思えた。
以前にも書いたことであるが、私は「努力した」とは絶対言わない。いや、言えない。というのも、勉強しすぎて真鍮製のシャーペンの側面に穴が開いたS君を始め、努力を惜しまなかった友人を多く知っているから。私も他人よりは頑張ったのかもしれないが、彼らを前にすると恥ずかしくなる。
池江さんの場合は、競技力向上のためだけに日々過ごされたのではない。自分の死を間近に感じ、それと戦いつつ、オリンピックを目指し日々過ごされたのである。
どれほどの苦しみと孤独を感じての毎日だったのだろう。
それを想像するとからこそ、彼女の「努力」に心震えるのだと思う。
オリンピックを心底観たいと思う。