昨日、主に湿布薬を製造している製薬会社の方が診療所にお見えになり、当院でも処方し私自身も使っている湿布薬の製造中止を伝えられました。

いわゆるジェネリックでなく、先発薬でしたのである意味「青天の霹靂」でした。

説明を聞きますと、日本の医療の危うさと脆さを感じました。

現在政府(財務省)は「医療費亡国論」すなわち、「高齢者が増えると医療費が増え国が傾く」との考えのもと、医療費削減に邁進しております。

薬の値段も毎年下げられています。4月になると薬代が安くなることは皆さんも経験されているでしょう。

私たちには都合いいけれど、製薬企業はたまりません。特にジェネリック薬品は安値に晒されて、製造原価を下げることしか生き残れません。昨年、ジェネリック企業が製薬過程の人員を端折って、水虫の薬に睡眠薬を混入させる事件が起こりましたが、安すぎる薬価にもその遠因があるのです。

利益が出なくなった製品は、当然製造中止となります。件の湿布薬も製造中止が相次ぎ、結局残ったのが昨日来られた製薬企業だったわけです。

咥えて輸入している原材料の高騰があります。

残念ながらリーマンショックの時に経済政策を誤り、先進国中で貧乏な国になったままの日本は、買い付けの国際競争にも敗北します。

高価格で購入した原料では、作れば作るほど赤字なんだそうです。体力のなくなった企業はやむなく製造中止となったわけです。

これは一湿布薬の問題にとどまりません。

石油はもとより、肉、穀物など生きるための商品の、国際買い付け競争に日本は今後敗北していくでしょう。

国際購買力を高めるには、日本の経済力が世界に追いつかなくてはなりません。インフレターゲットを設定し、市中に出回る通過を増やし、給与を上げ、購買力を向上させる。当然、消費税を下げなければ消費は増えません。

1000兆円の国民の借金!という財務省のまやかしに国民はごまかされてはなりません。財務省のせいで、国民は不幸になり日本は滅んでいく。

財務省の論法に乗っかっているメディアを信じることなく自分で考える賢い国民にならねば、劣等民族として生きることになります。