昨日は松茸をいただいたので、松茸ご飯にしていただきました。
「香り松茸」とはよく言ったものです。家中がほのかに香りました。
おかずには隣家のご主人が釣りあげた立派な鯛。お造りにしていただきました。晩酌には被災地宮城県の「仁井田本家」純米吟醸。
これ以上ない贅沢ですね。1日の疲れがふっとびました。
松茸ご飯には、思い出があります。
もう35年くらい前の話だから時効でしょう。
それは私が研修医の時のお話。
某国立病院で研修していた私は、安月給で毎日ピーピー言っておりました。バブル絶頂に差し掛かる時期、でも手取りは7-8万円です。今の恵まれた研修医諸君がホントうらやましいです。
国立病院の習慣でしょうか、毎月1日のお昼の病院食はごちそうです。元旦はおせちに尾頭付きでした。
10月1日の昼食はなんと松茸ご飯でした。病棟中に松茸の香り。病棟詰所の看護婦さん(あえて看護婦さん)の休憩所から看護助手(病棟の掃除だとか、給食の手配とか多くのことをしてくださいます)のおばさんが僕たちを手招き。何事かな?
「先生ら、薄給で松茸なんて無理やろ。少し残しといたげたから」
なんと患者さんによそうべき松茸ご飯をへつって、研修医のためにとってはったのです。今は知らないけれど、僕らのころは医者も看護婦さんも看護助手さんも昼食後の休憩も一緒にしてましたからね。当然私たちの月給も知ってるわけです。
美味しかったなぁ。患者さんも皆完食でした。
今こんなことすると、SNSで知れ渡り、コンプライアンス順守の問題ということで、マスコミネタになるかもしれませんね。訓告や戒告は免れないでしょう。
誠におおらかな時代でした。
今の日本から、このおおらかさがなくなっているようで少し残念な私です。
ちょっと醤油濃いあの時の味は、一生忘れないと思います。