毎日放送に、「東大王」という番組がある。

私が蛇蝎のごとく嫌う番組である。

東大生が出てきて、どうでもよい「些末な」問題に回答して、東大の凄さとやらを見せつける(意図は違うかもしれないが)番組である。

あほか。

東大にせよ、難関大学にせよ、医学部にせよ、合格するのは、「解答のある問題に対して、そこにたどり着く方法を知っていた者」というだけである。

ようは暗記である。数学や物理の問題を思考を駆使して解いていると、素直に思っている人は東大に通れない。問題を見たとたんに、「この問題はこのように解いていくのだ」と知っているものが合格するのである。

初見で解き方を考え出す能力を持つものは少ないのではないか。

だから勉強時間の長いものが、難関大学には合格する。東大がその最たるものであるということ。東大の入試は良問が多いので、培い暗記した解きかたを、複合的に用いることができるものが入学を許される。

東大生であることは、努力をしたことは認めなければならないが、人類の幸福への英知を持っているとは限らない。

ましてや、「東大王」(なんと恥ずかしい、臆面もない表題!)がなんやねん。

実は私も学生時代、そのころあまたあったクイズ番組に出場し、海外旅行も4回獲得しているのだが、これは知識自慢をするためでなく、金欠とただで海外に行くという目的のためであった。

知識豊かであることと、教養豊かであることと全く違う。

ましてや、東大出身であることが人類の役立つことにはならない。

せっかく大学予算の非常に多くを使える大学に入ったのだから、TVで浮かれるのでなく、世界のためにその優秀な頭脳を使ってほしい。