インフルエンザの大流行で、治療薬「タミフル」のジェネリック薬品が欠品。というニュースが流れました。驚かれた方も多いでしょう。

これは氷山の一角です。

昨年6月の厚労省発表の医薬品供給状況によれば、現在保険適応医薬品は17,327品目あり、そのうちなんと1298品目が供給停止!1863品目が限定供給となっています。

当院にも、「供給停止や供給制限のお知らせ」FAXが届かない日はありません。

政治は三流だと言われていたものが、官僚機構が三流であることが明白となりました。

ひとつには、先発薬が差額全額負担になったために、先発薬の製薬会社が製造を絞ったこと、またジェネリック医薬品会社が不祥事などで供給能力が落ちていることがまず挙げられましょう。

次に、製薬会社は当然多くの薬品を製造します。ジェネリック薬品会社は、あれもこれも欲張って製造販売しますので、綿密に計画して製造するようです。例えば1000品目つくる会社に、製造ラインが1000あるかといえばそうではありません。同じラインを使いまわすのです。Aという薬品は来週1週間作る、次の週はBを造るという感じ。

ですから売り上げ予想を間違えると当然市場では不足します。

インフルが流行れば、抗ウイルス薬、咳止めなどが足りなくなるのです。たくさん作って備蓄?薬価が安いので、造り過ぎて余れば損害を被りますからね。造りません。抗生物質を含め、国家危機管理として国が備蓄すべきと私は考えますが。

また利ザヤが少ないので、利益を生まない薬はすぐ製造中止です。儲からないものに設備投資などしません。

またご存じでしょうか、日本の食料自給率が低いように、薬剤自給率も非常に低い。約7割が海外依存です。ですから円安で輸入価格が高くなり、益々製造中止に拍車がかかります。また日本に安く売らなくても、高く購入する国があちこちにありますから、わざわざ日本に売りません。益々薬不足です。外国で作った薬は承認なしで国内では使えません。利権の臭いがプンプンします。

その大きな輸出元である中国が日本への輸出停止を行ったらどうでしょう。野垂れ死にですね。

このように医療費を下げることばかりに懸命で、国民の命を危険にさらしているのが厚労省の官僚と言えましょう。

いよいよ日本は三等国に落ちぶれました。